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「毎年、年賀状はこの家の写真やイラストにするほど、
この家が大好き」。
はたち頃にアンティークの魅力に目覚めたという雅美さんが
ずっと長年あたため続けてきた「夢の家」のイメージ。
いまそれはかたちとなって、幸せな時間を包んでいます。

a/暮らしのシーンを描いた雅美さん手描きのイラストは年賀状に。ぬくもりあるタッチに愛情がこもります。
b/下北沢に住んでいた頃に買い集めた、懐かしいアンティークの缶をキッチンの飾り棚にディスプレイして。
c/広々とした昔ながらの玄関で訪れる人を迎えるのは、滋大さんが選んだアンティーク李朝の箪笥。
d/削って叩いてリメイクした柱。古材を使った階段踏み板もアイアン手すりも、叩いて使い込まれた風合いに。

ダイニングのシンボル的存在になっているイギリス製のアンティークサイドボード。「これを置きたいから、これが似合う空間を作って、とお願いしたんです」と雅美さん。お気に入りのバリ製アンティーク木枠ミラーや小物たちとも美しく調和して。

「もともとダイニングキッチンだけのつもりだったんですよ。でも森澤くんに相談してみたら、次々と素敵なアイデアやプランが出てくるので、結局玄関や裏庭、リビングもリフォームすることに」と妻の雅美さん。築50年の純和風家屋を大改造することになったリフォームです。
「当初は他の大手の会社に頼むつもりだったんですが、こちらの思いに反して後ろ向きな提案が多くて。木の窓枠をつけたいと言っても予算がかさむからやめましょうとか」
シャビークラフトとの打ち合わせには、切り抜きを集めたスクラップブックなど、イメージを伝えるツールを持参。「絵も描いたんですよ、色鉛筆でちゃんと色塗って」。
雅美さんが思い描いたのは、大好きなヨーロッパやアジアのアンティークが似合う家。下北沢で暮らしていた19〜20歳の頃にアンティークの魅力に目覚め、小物などをこつこつ買い集めていたものの、結婚で関西に戻るときに、大半は手放さざるを得なかったそう。
「大型家具なんかはこの家に置けないと思って買わずに我慢していたので、リフォームを決めてから新たに探しました。森澤くんとも一緒に東京のアンティークショップ巡りしたり」。最初はインテリアに興味がなかった夫の滋大(しげお)さんも、その熱意にしだいに引き込まれ、ご自分もアンティーク探しに熱中するように。「僕ももう今は新しいもんには全然興味なくて、古いもんばっかりに目がいくようになって。錆とか好きやね(笑)」。今では、おふたりが選んだ、国籍も時代も違うアンティークは、この家のもつ大らかな包容力の中でしっくりとなじんで同居しています。


「毎日、工事中の家を見に自転車で通ってました。できあがっていくのを見るのが嬉しくて。森澤くんはとにかく全部に細かく目を光らせてくれて、色合いの微妙な違いも妥協しないで、納得いくまで左官屋さんや大工さんに注文出してくれてました」とリフォーム当時を懐かしく振り返る雅美さん。純和風建築の名残りで室内に何本か露出している柱は、雅美さんも参加して大胆にリメイク。
「この柱をノミで削って叩いてね、洋書に出てくる南仏の古い家の柱みたいにしようって森澤くんが言ってくれたんです。私も削らせてもらったんですけど、大胆に削りすぎて途中で森澤くんに止められたりして(笑)」
「家づくりはお客様とシャビークラフトのセンスの足し算」というコンセプトどおり、まさに共同作業で進んだリフォーム。おふたりが選んだアンティーク家具と、シャビークラフトが見つけて提案したアンティークの電気スイッチや照明などのハウスパーツとの相性もぴったり。
「もう今じゃ私たち買い物に行ってもね、これ森澤くん気に入ってくれるかなあ、なんて考えるようになってしまって(笑)。私たちが選んだものでも、森澤くんはこの空間にふさわしくないと思う時は、はっきり言ってくれるからね、どっちが施主か分からんわって言って笑うんですけど、やっぱりそれってありがたいと思いますよ」。
そうやって生まれた空間の中でも、雅美さんがとくにお気に入りなのがキッチン。オークの古材が存在感満点です。
「お料理するのが楽しくなるキッチンだから、おもてなしの機会も増えました。イタリアの大理石タイルもいいでしょ。タイルは汚れが気になるという人が多いけど、これなら経年変化がかえって味になってくれるから」。
心地いい陽気になれば、友だちを招いて裏庭でのバーベキューも楽しみ。テラコッタのタイルが敷き詰められた裏庭には鉢植えの花が咲き乱れ、まるで南仏のよう。夜にキャンドルを灯してくつろぐのもまた格別です。
「家が完成した時、本当に感動して、今度生まれ変わったら森澤くんと結婚しよう!って思ったぐらい」と笑う雅美さん。家づくりを通じて結ばれた「もう森澤くんは僕らにとって息子みたいなもの」(滋大さん談)という絆とともに、この家はこれからも歳月を刻み続けていくのです。

野元滋大さん(右)と雅美さん(左)
愛犬ムクちゃんと一緒に。
絵や木彫りなど多趣味な雅美さんは
将来ご自分のアトリエをもつのが夢。

A/木枠窓から心地よい光が差し込むダイニング。太い梁は貴重なアメリカ開拓時代の古材。のこぎりではなく斧で丸太を削って製材していた時代の名残が、斧跡の表情ひとつひとつに感じられて。重厚な英国アンティーク家具ともマッチ。
B/室内との段差が大きく、かつては物置場と化していた裏庭も、段差を縮めてテラコッタタイルを敷き詰め、リビングの延長のような感覚に。外塀の色もすべて塗り替え、南仏風ガーデン完成!テラコッタタイルは、時間がたつほどに使い込まれたいい味を出していきます。
C/大阪市近郊にある野元さん宅。立派な松がこの家の歴史を物語っています。
